【伊坂幸太郎】『アヒルと鴨のコインロッカー』あらすじ&感想【ネタバレなし】

伊坂幸太郎
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【伊坂幸太郎】『アヒルと鴨のコインロッカー』あらすじ&感想【ネタバレなし】

こんにちは、サカキです!今回は伊坂幸太郎さんの『アヒルと鴨のコインロッカー』という作品のあらすじと感想を紹介します。

 

私は伊坂幸太郎さんの作品の中で1番この小説が好きです。

 

この記事では、次の順番で紹介していきます。

 

  • あらすじ
  • 主な登場人物
  • 作品のポイント

 

まずは、あらすじから!

あらすじ

この作品を一言で表すと「悪魔のような青年が主人公に正体を隠しながらある人への復讐を遂げる」という物語です。

 

詳しくあらすじを紹介していきます。

 

この春、仙台の大学に通うため主人公の椎名は、東京から仙台へ引っ越しをします。

 

椎名の引っ越し先のアパートの隣の住人で、悪魔のような印象の青年 河崎に出会い、なんと

 

サカキ
サカキ

「一緒に本屋を襲わないか」

 

と誘われてしまいます。

 

河崎の目的は、一冊の広辞苑を盗むことです。

 

盗んだ広辞苑は、椎名の「隣の隣」に住む外国人にプレゼントすると河崎は言います。

 

この「隣の隣」というのが物凄く重要なキーワードです。

 

その外国人は、彼女に振られたショックで引きこもりがちになっているようです。

 

椎名は全く乗り気ではありませんでしたが、結局広辞苑の万引きを手伝うことになりました。

 

椎名の役割は、本屋の裏口で待ち、時々ドアを蹴って店員が裏口から逃げないようにすることです。

 

椎名は裏口を守ることはそれほど大事なことだとは思いませんでしたが、河崎は

 

「裏口から悲劇は起きるんだ」-本書p.51より

 

と言います。

 

それは、2年前に河崎の彼女がある事件に巻き込まれたトラウマがあるからです。

 

ではなぜ、河崎は本屋を襲ってまで広辞苑を盗もうとしたのか。

 

物語が進むにつれて河崎の思惑、そして彼の正体が明らかになります。

 

『アヒルと鴨のコインロッカー』という作品は、現在と2年前の物語が交互に進行するという構成になっています。

 

それぞれ主な登場人物を紹介します。

主な登場人物

現在の物語において、抑えておくべき登場人物は3人です。

現在の物語に登場する3人の紹介

  1. 椎名:物語の主人公
  2. 河崎:悪魔のような青年
  3. 麗子:ペットショップの店長

 

河崎は椎名に麗子のことを

 

「会わない方がいい。会っても信用するな」-本書p.55

 

と椎名に言います。

 

なぜ椎名を麗子に会わせないようにするのかと言うと、麗子が椎名に河崎の正体をばらすことを防ぐためです。

 

 

現在のストーリーの軸は次の2つです。

 

  • 2人が本屋を襲うこと
  • 椎名の大学生活

 

現在のストーリーは椎名の視点で語られています。

 

続いて、2年前の物語における登場人物を紹介します。

 

2年前の物語に登場する4人の紹介

抑えておくべき人物は4人です。

 

  1. 琴美:麗子のペットショップの店員
  2. ドルジ:ブータン人(琴美の彼氏)
  3. 河崎:女たらしの青年(イケメン)
  4. 麗子:ペットショップの店長

 

河崎と麗子の2人は現在の物語に登場しますが、琴美とドルジの2人は2年前の物語にしか出てきません。

 

ちなみに、ブータンというのはインドの右上にある国で、ドルジは日本の大学に留学するためにきています。

 

椎名の「隣の隣」に住んでいて彼女と別れて引きこもっている外国人というのがドルジということになります。

 

2年前の物語では、ペット殺しが問題になっており、琴美とドルジは偶然その犯行グループを目撃します。

 

2人は、そのグループに見つかってしまいますが、特に何をされることもなくその場を後にしました。

 

しかし、翌日琴美は自分の住所が書いてあるバスの定期券を落としたことに気が付き、それがきっかけで彼女は後にある事件へと巻き込まれてしまいます。

 

2年前の物語での河崎の立ち位置は、琴美の知り合いでドルジに日本語を教える女たらしといったところです。

 

琴美の視点で物語が進み、河崎とドルジの人物像が浮き彫りになっていきます。

 

2年前の河崎は周りからイケメンと言われるほどの超美男子で、椎名が抱いた悪魔のような印象はありません。

 

なぜ、この2年で河崎の外見にこのような変化があったのか。

 

このことは、この物語の謎を解く多大きなヒントになります。

 

この作品のポイント

続いて『アヒルと鴨のコインロッカー』のポイントを3つ紹介します。

 

一つは、この物語の構成です。

ポイント①物語の構成

伊坂幸太郎さんの小説では、複数の物語が平行して進む作品が多いですが、『アヒルと鴨のコインロッカー』では、現在と過去という2つの時間軸の話が交互に進んでいきます。

 

物語が進むにつれて謎が徐々に明らかになり、読み終えた後は全体像が浮かぶように作られており、点と点が繋がった時の快感には中毒性があります。

 

そして、この小説のポイント2つ目は、です。

ポイント②謎

  • なぜ、河崎は広辞苑を盗むためだけに本屋を襲う必要があるのか?
  • 椎名の隣の隣に住む外国人は何者なのか?
  • なぜ河崎は正体を隠しているのか?

 

このミステリアスな河崎という男が企んでいること、そして、その正体を知った読者は驚愕するはずです。

 

『アヒルと鴨のコインロッカー』は伊坂幸太郎さんの作品の中で1番衝撃を受けた作品です。

 

2周目に謎が全て分かっている状態で読んでもやっぱりスゴイと感動すると思います。

 

最後まで読むと、河崎に最初から騙されていたことに気づくはずです。

 

そして、細かいポイントですが、この作品にはちょっとしたサービスがあります。

 

それは、現在と2年前の書き出しや終わりの文が揃えられていることです。

ポイント③現在と2年前の書き出しや終わりの文が揃えられている

現在と2年前の第1章の最後の文を紹介します。

 

こちらが、現在の第1章の最後の文です。

教訓を学んだ。本屋を襲うくらいの覚悟がなければ、隣人へ挨拶に行くべきではない。-本書p.24より

 

そして、こちらが、2年前の第1章の最後の文です。

 

教訓を学んだ。立入禁止の場所に侵入する時には、それなりのリスクを覚悟しなればならない。-本書p.45より

 

それぞれ全く違ったシーンではありますが、このような工夫がされているので読むときには是非チェックしてみてください。

 

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