平野啓一郎『私とは何か~「個人」から「分人」へ』~分人主義を分かりやすく説明~

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平野啓一郎『私とは何か~「個人」から「分人」へ~』~分人主義を分かりやすく説明~

こんにちは、池井 榊です!今回は、平野啓一郎さんの『私とは何か~「個人」から「分人」へ~』という本の内容をもとに、「イヤな人を消す方法」を紹介します

 

イヤな人を消せるの!?その魔法使ってみたい!

 

サカキ
サカキ

魔法じゃないし、そんな魔法があったとしても僕には使わないでね、、、

 

みなさんは、「分人」という言葉を聞いたことはありますか?

 

初めて聞くという方も少なくないと思います。

 

この「分人」という概念を知ると、少し物騒な言い方をしますと、自分のイヤな人を消すことができ、人生を快適に過ごせるようになります。

 

イヤな人を消せるというのは、魔法みたいですが、詳しくは後ほど説明します。

 

ちなみに、検索するときに「ぶんじん」と打っても漢字変換されません。

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なぜなら、「分人」という言葉はこの本の著者である平野啓一郎さんがつくった言葉だからです。

 

今回の内容は、大きく分けて次の3つです。

 

  • 平野啓一郎って何者!?
  • 「個人」と「分人」について
  • イヤな人を消す方法

 

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平野啓一郎って何者!?

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まず、本書『私とは何か』の著者である平野啓一郎さんについて簡単に紹介したいと思います。

 

平野啓一郎さんは小説家で、アメトークの読書芸人で紹介された『マチネの終わりに』が話題になり、これをきっかけに知った方も多いと思います。

 

ちなみに『マチネの終わりに』は、大人の純愛が描かれた素晴らしい小説でした。

また、最新作の『ある男』2019年の本屋大賞にノミネートされています。ちなみに受賞作の発表は、2019年4月9日です。

 

私は、『ある男』を含めて平野啓一郎さんの作品はほとんど読んでおり、一推しの作家なので、今回の本屋大賞を受賞してほしいとひそかに願っています。

平野啓一郎さんは、京都大学の法学部出身で、大学生の時に書いた「日蝕」という作品が芥川賞を受賞し、それ以来ずっと小説家として活動しています。

 

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また、小説だけでなく、新書も数冊出版しており、今回紹介する『私とは何か』新書です!

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「個人」と「分人」について

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続いて、内容2つ目の「個人」と「分人」について説明します。

 

みなさん、個人って何か分かりますか?

 

日常生活で耳にしたことがない人はほとんどいないと思います。

 

個人というのは、人間の「最小単位」です。

 

最小単位なので、これ以上「分ける」ことができません。

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それは「分ける」じゃなくて「割れる」の間違いですよ

人間の最小単位は「個人」じゃない!?

著者である平野啓一郎さんは、「個人」は、人間の最小単位ではないと主張しています。

 

そこで、出てくるのが「分人」という考え方です。

 

では、分けられないはずの「個人」をどのように分けるのかというと、著者の平野啓一郎さんは、その個人が持つ「人格」ごとに分けることができる、と考えています。

 

例えば、みなさんは、家族と喋るとき、友人と一緒にいる時、また、職場の上司と話す時、全て「同じ人格である」と言えるでしょうか?

 

話す相手によって、大なり小なりチガイがあるはずです!

 

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大抵の人は、家族と喋るときは、少し気の抜けた口調若しくは方言が出る人もいるかと思います。

 

※実際のところ、道民は「なまら」をそんなに使いませんww

 

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そして、仲の良い友人と一緒にいる時は、いつもよりテンションが上がり、中には家族の前では言えないような下ネタを言う人もいるかと思います。

 

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また、職場の上司と話す時は、普段下ネタを言っている人も、敬語を使い、いつもよりかしこまった口調になると思います。

「個人」は複数の「分人」で構成されている

今、説明したように、家族・友人・上司と話す時、それぞれ別の人格であるということが分かります。

 

そして、会う人に対応した、それぞれの人格「分人」と言います。

 

なので、「個人」というのは、

 

家族との「分人」

友人との「分人」

上司との「分人」

 

など、複数の「分人」で構成されているということです。

 

中には「自分は多重人格なのではないか」と悩んでいる方もいるかと思いますが、もちろん悩む必要はありません。

 

会う人によって違った「分人」が出てくるというのは、自然なことであり、また、快適に生活する上で必要なことです。

一つの「分人」しか使えない人:八方美人

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ちなみに、上手く「分人」を使い分けることができない人もいます。

 

そのような人は、「八方美人」と呼ばれている人たちです。

 

八方美人は、一つの「分人」しか使えません。

 

誰にでも最適である「分人」なんて存在しないので、一つの「分人」しか使えない八方美人は、人と深い関係にはなれません。

 

なので、会う人によって違った人格が出てくることは、人間関係を円滑にするには不可欠であることが分かります。

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イヤな人を消す方法2つ

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「分人」という考え方を知ると、人生が今よりも生きやすくなります。

 

それは、なぜかというと、「イヤな人を消すことができる」からです。

 

この「イヤな人を消す」というのは、この世からではなく、自分の中からという意味です。

 

「分人」という考え方を使って「イヤな人を消す方法」2つ紹介します。

①イヤな人と会わない:イヤな人の「分人」を最小に!

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1つ目は、イヤな人と会わないことです。

 

ある人に対する「分人」は、常に同じ大きさではなく、大きくも小さくもなります。

 

例えば、恋人と一緒にいる時間が長くなり、自分の中の恋人の「分人」が大きくなると、ずっと相手のことを考えてしまうということがあります。

 

しかし、遠距離になり会う頻度が下がり、恋人の「分人」が小さくなると、徐々に熱が冷めてしまうことになります。

 

つまり、全ての「分人」は同じ大きさではなく、重要度によってその人の「分人」が占める割合が変わることが分かります。

 

話を戻して、なぜイヤな人と会わなければ、その人を自分の中から消すことができるのかについて説明します。

 

例えば、学校や職場にイヤな人がいて、家に帰ってからも、その人のことを考えてしまう場合は、自分の中のそのイヤな人の分人が大きくなっているという状態です。

 

もし、一生その人に会わなければ、先程の遠距離恋愛の例と同様に、その人の「分人」がどんどん小さくなります。

 

つまり、時間の経過とともに、自分の中のイヤな人の分人を消すことができるということです。

 

しかし、そのイヤな人ともう2度と会わないというのは現実的ではないと思います。

 

学校や職場にイヤな人がいる場合は、転校するか転職するかしなければなりません。

 

なので、もっと簡単に「イヤな人を消す方法」を紹介します。

②イヤな人の「分人」を相対的に小さくする:大切な人との時間を大切に!

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その方法は、イヤな人の「分人」を相対的に小さくすることです。

 

イヤな人の「分人」を相対的に小さくするには、他の人の「分人」を大きくする必要があります。

 

なので、簡単に言うと、友人や家族など好きな人との時間を大切にするということです。

 

もし、仕事でイヤなことがあっても、仲の良い人と食事に行ったり、恋人と遊んだりして、自分が大切にしたい「分人」を大きくすることで、イヤな人の「分人」を相対的に小さくすることができます。

 

もし、今、周りにイヤな人がいるという方は、

 

①「その人ともう2度と会わない」

 

それができなければ

 

②「自分の大切な人に会う」

 

を実践してみてください。

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 最後に:「分人」の考え方を知ると「自殺を防げる」

実は、「分人」の考え方を知ると「自殺を防ぐ」こともできます。

 

その理由については、今回は割愛されていただきますので、興味がある方は是非読んでみてください。

 

少しだけネタバレしますと、自殺したいと思っているのは、自分の中の全ての「分人」ではなく、一つ若しくは少数の「分人」であるということです。

 

もし、自殺をすると、死にたいとは思っていない他の「分人」も殺すことになります。

 

、、、少し喋りすぎましたね。笑 続きは本書をご覧ください。平野啓一郎さんの知名度がどんどん上がってきていますので、今回紹介した「分人」という考え方は今後、もっと広がっていくと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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