【書評】北野唯我『天才を殺す凡人』
こんにちは、池井 榊です
今回は、北野唯我さんの『天才を殺す凡人』という本の内容を紹介します!
この本は、発売1か月で6万部を突破し、今、勢いに乗っている本です
最近読んだ本の中では、ズバ抜けて面白いです!
突然ですが、次の3つのうち一番自分に近いものを選んでください。
1.独創的な考えや着眼点を持ち、人々が思いつかないプロセスで物事を進められる
2.論理的に物事を考え、システムや数字、秩序を大事にし、堅実に物事を進められる
3.感情やその場の空気を敏感に読み、相手の反応を予測しながら動ける
実は、選んだ番号によっては、あなたが凡人なのか、秀才なのか、それとも天才なのかが分かります。
その答えを発表する前に、今回の内容を紹介させていただきます。
内容は、以下の3つです。
今回の内容
1.天才・秀才・凡人の特徴について
2.なぜ天才は凡人に殺されるのか
3.なぜ死を選ぶ天才と幸せに生き抜く天才がいるのか
YouTubeで観たい方はこちらからどうぞ!
【本の紹介】北野唯我『天才を殺す凡人』
1.天才・秀才・凡人の特徴
まずは、1つ目の天才・秀才・凡人の特徴について紹介します。
先程、みなさんに、1~3の中から自分に近いものを選んでもらいましたので、
早速その答え合わせをしたいと思います!
1番を選んだ方は、天才です!
2番を選んだ方は、秀才です!
3番を選んだ方は、凡人です!
3者が具体的にどのくらいの割合いるのかはわかりませんが、感覚としましては、こんな↓感じだと思います。
凡人が8~9割
秀才が1~2割
天才が0.1割以下
もちろんですが、私を含めて、ほとんどの人が凡人に分類されます。
それぞれの性質を一言で言い表すと、以下のとおりです。
また、これら3者は、物事の考え方も違っています。
凡人は、物事を「人」をメインで考えます。
秀才は、物事を組織やルールなど善悪で考えます。
天才は、物事を世界や真理などを基準に考えています。
凡人⇒秀才⇒天才がより抽象的に物事を考えていることがわかりますね。
2.なぜ天才は凡人に殺されるのか
凡人・秀才・天才の特徴を知ってもらったところで、今回の内容2つ目、なぜ天才は凡人に殺されるのかについて説明したいと思います。
天才が凡人に殺される理由は、両者が使う「武器」にあります。
まず、凡人の武器は共感力です。
共感というのは、他の人の気持ちがわかることです。
なぜ、凡人は共感力が武器なのかというと、凡人の気持ちがわかるのは凡人であり、ほとんどの人が凡人だからです。
つまり、凡人の武器は数が圧倒的に多いことでもあります。
それに対して、天才の武器は創造力です。
創造力というのは、時には世界にイノベーションを起こし、人々の生活を変えてしまうこともあります。
しかし、新しいものというのは、大抵の場合は受け入れられず、バッシングの対象になります。
例えば、今では「村上春樹が好き」という人は多いですが、村上春樹さんが小説家になりたての頃は「あんなの純文学じゃない」など散々叩かれたようです。
村上春樹さんと言えば、最近、『騎士団長殺し』の文庫本が発売されましたね!まだ読んでない方は是非!
話を戻します!
村上春樹さんの場合は、叩かれても、めげずに小説を書き続けました。
死ななくて本当に良かったです( ;∀;)
中には世間に受け入れられず、「死」を選ぶ天才もいます。
では、なぜ天才が凡人に殺されてしまうのかと言うと、その理由は以下の2つです。
日本は、良くも悪くも民主主義の国なので、意見が分かれた場合に「多数決」で決めるという慣習があります。
「多数決」をとると、当然数が少ない天才が負けてしまいます。
つまり、天才は、人に受け入れられない創造性と数の少なさが原因で凡人に殺されるということです。
しかし、全ての天才が殺されるわけではありません。
あたがたいことに、村上春樹さんも生き残っています。
3.死を選ぶ天才と幸せに生き抜く天才のチガイ:天才を救う神がいる
では、最後に、「なぜ死を選ぶ天才と幸せに生き抜く天才がいるのか」について説明します。
天才が幸せになれるかどうかというのは、周りに「共感の神」が存在するかどうかで決まります。
みなさんは、「共感の神」というゴッドを聞いたことはありますか?
私はこの本で初めて知りました。
共感の神というのは、「あまりに共感性が高く、誰が天才であるかを見極められる人」です。
では、この共感の神は、天才、秀才、凡人の中のどこにいると思いますか?
ヒントは共感です。
もう気づかれた方もいるかと思いますが、この共感の神というのは、凡人の中にいます。
凡人の中にいる共感の神は、誰が天才で誰が秀才であるかが分かります。
天才は、共感の神によって理解され、支えられることによって世の中に存在し続けることができます。
周りに共感の神がいるかどうかが、天才が死を選ぶのか、幸福に生き抜くことができるのかを分ける、ということです。
これを会社に当てはめると、共感の神というのは、「根回しオジサン」に当たります。
共感の神の着ぐるみの中から、根回しオジサンが出てきたら、子供はショックのあまり泣いてしまうかもしれません。
大人の私でもきっと涙目になります。
話を戻して、具体的に説明したいと思います。
例えば、創造性の溢れる天才がある事業の企画をしたとします。
しかし、天才は、共感能力が高くなく、人に説明することが得意ではありません。
「根回しオジサン」という単語が出てくると、真面目な記事のはずが、急にエンタメ感が出てくるのが不思議です。
それは置いといて、天才が発案した革新的なアイディアはなかなか会議では通りません。
なので、「根回しオジサン」が事前に根回しして、社員を説得することで、天才が考えた企画案が通りやすくなるということです。
つまり、天才は周りに理解されづらい存在、かつ、一人では生きていけないということが分かります。
自分の革新的な企画が全然通らない、という方は是非根回しが上手い「根回しオジサン」を味方にしてみてください。
著者が『天才を殺す凡人』を書いた理由:憤りが原点
本書の最後に、なぜこの本を書いたのかについての説明がありました。
その理由は、著者が「人の可能性を阻害するものに、憤りを感じるから」とのことでした。
最近はネットで叩く人が多いですが、それによって才能が潰されてしまうのは非常に残念だと思います。
もし、世の中に
ワンピース(尾田栄一郎)
人間失格(太宰治)
Lemon(米津玄師)
iphone(スティーブ・ジョブズ)
がなかったら、人生は今よりももっと寂しいものになっていたと思います。
今、楽しく快適に生活できているのは天才のおかげであるといえます。
それと天才を支えた「根回しオジサン」の存在も忘れてはいけません。
今回紹介した、『天才を殺す凡人』という本は、『嫌われる勇気』同様に小説形式となっており、ものすごく読みやすいです!
今年発売された本の中で、間違いなく上位に入ると思います(^^)
本を探している方は、是非この本を読んでみてください!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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