【考察】カフカ『変身』あらすじ・解釈~朝起きて「虫」になった男の末路~
こんにちは、サカキです!
今回は、朝起きたら虫になっていた話でお馴染みのフランツ・カフカの『変身』を紹介します。
この記事の内容は、次のとおりです。
- あらすじ
- 解釈
- 動画の紹介
『変身』あらすじ紹介
カフカの『変身』は3章で構成されています。
各章ごとのあらすじを簡単にまとめていきます。
『変身』第1章あらすじ
ある朝、主人公ザムザは、嫌な夢を見た後、自宅のベッドで目を覚まします。
ザムザは、自分の体に違和感があることに気がつきました。
というのも、ザムザは無数の足と固い甲殻を背負った毒虫になっていたからです!
(なんと、作品の1行目から虫になっています。笑 設定がぶっ飛んでいますよね。昔の本なのに斬新です!)
虫になっていたので仕事には行けず、ベッドから起き上がることにも苦労します。
慣れない体でしばらくもがいていると職場の支配人が、ザムザを呼び出すために家までやって来きました。
(ベッドから起き上がるところの描写はなかなかリアルです。作者であるカフカさんは虫になったことがあるのかと疑ってしまいます。笑)
妹と両親が怒る上司をなだめます。
2人は、ザムザがいる部屋の様子がおかしいことを察知していましたが、ザムザに部屋から出てくるように説得しました。
虫になったザムザが部屋のドアをなんとか開けます。
すると、支配人は驚きと恐怖によって逃げだし、母親は叫び声をあげ、父親はステッキでザムザを無理やり部屋に押し戻しました。
(虫になったのは、主人公ザムザ が悪い訳ではないのに、みんな扱いがヒドイですね。笑 ザムザ可哀そう、、、けど、部屋に息子の代わりにデカい虫がいたら嫌ですね。笑)
『変身』第2章あらすじ
虫になったザムザと元に戻るように祈っている家族との生活が始まりました。
17歳の妹は毎日、虫になった兄ザムザの部屋まで食べ物を運び、部屋を掃除してくれていました。
(妹さん、優しいですね( ;∀;))
一家の稼ぎ頭であるザムザが虫になってしまったため、父親がお金を稼がなくてはいけません。
息子の姿をまともに見ることができない母親も、虫となった息子を受け入れようとザムザに気を使い始めます。
しかし、部屋の壁や天井を這いずり回ることに快感を覚えるようになった息子の姿を見て母親は気を失ってしまいます。
(ザムザには申し訳ないですが、想像すると気持ち悪いですね。笑)
父親は次から次へとリンゴを息子ザムザに投げつけ、重傷を負わせました。
(父親ヒドすぎ・・・)
『変身』第3章あらすじ
ザムザはケガによって1ヶ月以上も苦しむことになりました。
とうとう妹も来てくれなくなり、掃除されなくなった汚い部屋で放って置かれるようになります。
妹は食べ物を運んでくれていましたが、事務的に適当な食べ物を出しては下げるの繰り返しをするだけになりました。
(妹だけは優しかったのに・・・( ノД`)シクシク…)
ザムザ一家は、お金を得るために空き部屋を3人の男に間貸することにしました。
しかし、妹が弾くバイオリンの音色に惹かれて虫(ザムザ)が部屋から姿をみせると、男たちは驚きと怒りで、金を払わないどころか請求すると言い出しました。
(ザムザだけでなく、その家族も可哀そうですよね・・・。ザムザのせいと言えばそうだけど、ザムザが悪い訳ではないですし・・・。そして、間借りしている男たちがお金を請求する意味が分かりませんね。笑)
いよいよ家族にも限界が来て、「あれ(虫)は家から出ていくべきだわ」と言われる始末。
(聞きました?「あれ」ですよ、「あれ」。何回も言いますが、扱いがひどすぎる!家族にそんなこと言われたら死にたくなりますよね。というか、朝起きたら虫になってる時点で死にたくなりますが。笑)
その次の日、お手伝いのおばさんが部屋で虫(ザムザ)が死んでいることを発見します。
虫(ザムザ)の死体はおばさんによって片付けられ、数ヶ月ぶりに家族は3人で開放感と共に電車で郊外へ出かけることにしました。
家族は、自分たちの明るい未来を思い描いているところで話は終了です。
最初から最後まで、主人公ザムザが可哀そうでしたね( ;∀;)
カフカ『変身』解釈
ここでは、『変身』でみなさんがよく疑問に思うことをまとめていきたいと思います。
今回紹介するのは、次の3つです。
- ザムザが虫になった理由
- 『変身』は喜劇?悲劇?
- 虫への『変身』が象徴していること
順番に説明していきます。
ザムザが虫になった理由
まずは、ザムザが虫になった理由について説明します。
主人公ザムザがなぜ虫になったのかは、はっきりと書かれていません。
考えられている理由は「仕事に行きたくないザムザの願望」です!
実は、ザムザは引きこもりたかったのではないかということです。
働きたくない、外に出たくないという願望が虫になることで叶ってしまったという皮肉な結果です。
虫になるくらいなら、働きますよね。笑
『変身』は悲劇?それとも喜劇?
続いて、『変身』という作品は悲劇なのか、それとも喜劇なのかについて説明します。
ここまで読むと、この可哀そうな主人公ザムザの物語は悲劇だと思う人が圧倒的に多いはずです。
私自身は、読み始めた時は、「主人公が虫ってwwwおもしろすぎwww描写もなんかリアルだしww」
という感じでクスクス笑いながら読んでいました。笑
けど、後半になるにつれて「ザムザ可哀そうすぎ!家族ひどすぎ!」ってなりました。
なので、私は悲劇であると解釈していました。
しかし、作者であるカフカが『変身』を知人に読み聞かせをした時、クスクス笑いながら読んでいたというエピソードがあります!
なので、作者は、もしかすると、「主人公が朝起きて「虫」になってたら面白くね?」という感じで書いたのかもしれません。笑
カフカは絶望していたことでも有名ですから、実際のところ悲劇なのか喜劇なのかは、分かってはいないです。
作者が喜劇として書いたから、絶対に喜劇だというワケでもありません。
読む人が感じたことが答えだと思っているので、人それぞれ解釈があっていいと思います。
みなさんは、悲劇と喜劇どっちだと思いますか?
虫への変身は何を象徴しているの!?
続いて、虫への変身が象徴していることについて説明します。
作者のカフカは、主人公が虫になることを通して、いったい何を読者に伝えたかったのでしょうか。
主人公ザムザは、虫になるまで一家の稼ぎ頭として家族の役に立っていました。
しかし、ザムザが虫になり、働けなくなると急にみんな冷たくなります。
役に立たないものはいらないという扱いを受けてしまいました。
急に人が働けなくなることを、現実の世界に置き換えて考えてみると、働けなくなるくらいの病気やケガなどが挙げられます。
よって、虫になることは、病気やケガ等で家族の役に立たなくなることを象徴していると考えられます。
現代のうつ病や引きこもりは、まさに虫への変身となりますね。
カフカが生きていた時代よりも、今の方が虫は増えているはずです。笑
現代にカフカが生きていたらビックリするかもしれません。
「なんだこりゃー、虫だらけじゃねーか!みんなオレが書いた『変身』に影響うけすぎ!」って言うかもしれませんね。笑
急に役に立たなくなると、家族はあんなに冷たくなるものなのでしょうか?
「今まで頑張ってくれてありがとう、これからのことは任せて!」とはならないんですかね。
そう考えるとなんだか、役に立たなくなることが怖くなりますよね、、、
ザムザが虫になったこともそうですが、事故などでケガをして後遺症が残った場合のよううに、本人に非がない場合でも、このようなひどい扱いを受けるなんて、あまりに酷です。
人間って冷たいですね( ;∀;)
当たり前のように、いつものように、普通に働くこと、生活することは、全然当たり前なんかじゃないはずなのに、、、
ここから先は読まないでください!(役に立たない人代表の叫びが書かれています笑)
みんな、役に立たないものに対して不寛容すぎるよ!
役に立つ必要なんてない!
好きに生きればいいんだよ!
役に立たないからと言って攻撃する必要なんて全くない!
訳があって役に立てないだけかもしれないじゃん!
存在してるだけで十分なんだよ!
役に立つ人も役に立たない人も存在しているのが世の中ってもんでしょ!
役に立つものばかりじゃつまらない!
多様性が大事なんじゃないの!?
役に立たないものがあるから、役に立つものがあるんでしょ!
役に立っていない人を見つけたら感謝すべきだよ!
あなたのおかげで、私は相対的に役に立つ人間になれていますって!笑
役に立たないよりも役に立つ方がいいじゃん!
役に立つ人は、優越感を感じれるじゃん!
役に立たない人は、劣等感を感じているし、バッシングもされるしで二重苦なんだよ!
役に立たなくたっていいんだよ!
生きているだけでいいんだよ!
無駄も大事!
いつも役に立つことだけをしてないでしょ!
ボーっとしたり、ボケーっとしたり、意味のない時間を過ごすことだってあるでしょ!
けど、その無駄も全然無駄なんかじゃない!
必要な無駄なんだよ!
人生ってそういうもんでしょ!
無駄しかない人生だっていいじゃん!
無駄しかない人生だって価値はあるよ!
その価値は人それぞれなんだよ!
誰にも文句言われる筋合いなんてない!
・・・・・・以上、無駄な人生を送っている、役に立たない人代表でした。笑
役に立たない人は役に立ってないことを自覚しているので、攻撃せず、そっとしておいてやってください。笑
カフカ『変身』動画
『変身』の内容を動画にしたものを載せておきます。
興味がある方は、是非見てください。
小説も読みやすいですけど、事前に動画を見ておくと内容がすんなり入ると思います。
カフカの「変身」
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