筒井康隆『関節話法』~腹筋崩壊!?爆笑必至!?これぞ最も笑える小説~

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筒井康隆『関節話法』~腹筋崩壊!?爆笑必至!?これぞ最も笑える小説~

みなさん、本を読んで爆笑したことありますか?クスって笑うことがあっても、爆笑ってあまりないですよね。

 

私も今まで数百冊と本を読んできましたが、爆笑はほとんどありません。

 

ですが、「時をかける少女」でお馴染みの筒井康隆さんの短編集「傾いた世界」に収録されている「関節話法」を読んだ時は、声を出して涙をボロボロ流しながら読みました。

 

大袈裟な表現に聞こえるかもしれませんが、全く盛っている訳ではありません。

 

「関節話法」を読んだのは、大学の図書館でした。図書館はとても静かで、お葬式の次に笑ってはいけない環境ですので、最初の方を読んだ時に、これはまずいと思って、家に持って帰ってから読み直しました。笑

 

図書館で一人で笑っていたら、間違いなく病院に連れていかれますからね。笑

 

そもそも、文章で人を笑わせるって相当難しいことだと思いませんか?実際に直接話す場合では、間のとりかた、声のトーン、表情など笑わせる要素がたくさんあると思います。

しかし、文章では、あたり前ですが文字しかありません。面白い顔をしながら文章を書いたところで本には反映されません。

 

当然ですね。

 

文章で笑いをとるという非常に高いハードルを飛び越えることができるのが、筒井康隆なんです。

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『関節話法』内容

「関節話法」という題名を読んだ時、間接話法と誤読をしてしまっていました。あの英語の授業で習う直接話法と間接話法のあれです。

 

しばらく読んでいると、関節を鳴らす癖のある主人公が出てきて、あれ?となり、もう一度タイトルを確認して、間接ではなく関節であることに気がつきました。

 

「関節話法」とは、読んで字のごとく、関節をポキポキならして会話をする方法のことなんです。

 

そして、この小説の主人公は関節を鳴らすのが得意であり、上司から「関節話法」を使って会話をする惑星へ行き、商談をしてくることを命じられます。設定がぶっ飛んでいますね。

 

筒井康隆ワールド全開です。

その惑星に着くと、その惑星の偉い人たちの前でスピーチをする場面があるのですが、ここが一番の笑いどころです。

 

関節話法では、関節の鳴らす場所であったり、関節を鳴らす回数によって意味が変わってきてしまいます。

 

指などの関節を鳴らしたことがある方は分かると思いますが、一度ポキッって鳴らすとしばらく経たないと鳴らなくなりますよね。

 

なので、段々関節が鳴らなくなり、本当に言いたいことが言えず、全く意味の違う言葉になって伝わってしまったりします。

 

例えば、「喋る」という言葉が、右手小指の第二関節が鳴らないと「死ぬ」という言葉になったりします。大変な言い間違えですね。笑

 

このふざけてはいけない環境での滑稽な言い間違いや、その言い間違いを直そうと焦れば焦るほど、どんどん変なことを言ってしまう主人公のドタバタ感がたまりません。

 

「関節話法」のページ数も31ページと短いため、10分程度で気軽に読むことができます。

 

文章で笑うなんてと思っている方、人生がちょっと嫌になっている方、訳もなく爆笑したい方必読です!

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