中村文則『遮光』あらすじ・感想~あなたの中の「狂気」が目を覚ますかもしれません~
みなさん、こんにちは!
突然ですが、中村文則さんをご存知ですか?
中村文則さんの本を読んだことはありますか?
私が、中村文則さんの最も好きなところは、人間の狂気を美しく描いているところです。
本当にすごいです。
頭のおかしい人を描くのが上手なんです。しかもその狂いっぷりも、普通の狂い方じゃありません。笑
そこら辺の作家が書く狂人は、どこにでもいるありふれた狂人で、親近感なんて湧きませんよね。
しかし、中村さんの小説に出てくる狂人は、どこか魅力的で惹かれてしまうんです。
自分の知らない自分の狂気
中村さんの小説を読めば、自分が知らない自分の狂気に気づかされるはずです。
みなさんは、普段の生活では、自分の変なところ、おかしいところ、狂気なところを抑えて生活していますよね。
襲ってしまいたい、刺してしまいたい、なめてみたい・・・など様々な狂気を隠して生活していると思います。
中村さんの小説に触れると、普段隠している自分が顔を出すので、ビックリしますよ♬
面白さと恐怖が同時にやってくる!?
今回紹介する『遮光』でも、とてもユニークで不気味な主人公が出てきます。
その主人公には虚言癖があり、その主人公の彼女はとっくに死んでいるのに、友人には彼女は留学して海外で元気でやっているとか、
他の人が話していたことを、さも自分の話であるかのように話したりします。
しかも、死んだ彼女の指を瓶に入れて、ずっと自分の傍から放さず持っています。
そして、他の人にばれないように彼女の指を隠し持っていることに、興奮さえしています。
中村文則さんの小説には、何かを隠しながら生きている人が多く登場します。
読んでいる最中は、なんでこんな無意味なウソをつき、無意味な行動をするのかと笑ってしまったり、あまりに不気味すぎてぞっとしたりしました。
面白さと恐怖が同時にやってきます。
こんな感情を起こすことができるのは、中村文則さんならではです。
読み終わった後も、しばらくその主人公の言動が頭から離れませんでした。
しばらくたってからも、この本の主人公のことが気になり、適当なページを開いては読みを繰り返していました。
中毒性があるので、用量・用法をお守りください笑
私は過剰摂取してしまって、中村文則依存症になってしまいました。笑
今回は、彼女の指を入れたビンですが、中村文則さんの小説には、何かを隠しながら生きている人が何人か登場します。
たまには一味違った本が読みたいという方にオススメです。
自分の中の狂気な部分に出会うこと間違いなしです。
そして、その自分の狂気なところが愛おしく思うことでしょう。
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