【読書術】多読と速読のワナにハマっていませんか?『読まずにすませる読書術』
こんにちは、ブロガー兼 VTuberのサカキです!
今回は、京都大学の教授である鎌田浩毅さんの『読まずにすませる読書術』という本を紹介します。
本書では、「読むべき本は読んで、読まなくてもいい本は読まない」という量よりも質を重視する読書術」が紹介されています。
みなさんの部屋には積読本はありませんか?
読まなくてはいけないと思いつつ、全然読めなくて困っている方もいらっしゃるかと思います。
この記事を読み終わった後には、自分にとって本当に必要な本が分かるようになっているはずです。
今回の次の3つを紹介します。
- 多読と速読の罠
- 本を選ぶ「二:七:一の法則」
- 音楽的読書から絵画的読書へ切り替える
多読と速読の罠
この動画を観ている方の中に、1冊でも多く本を読み、一つでも多くの知識を身につけるため、多読法や速読法を実践している方もいらっしゃるかと思います。
多読・速読の目的は「たくさんの本を読むこと」です。
多読というのは、読書の時間を増やして多くの本を読むことであり、「速読」は少ない時間で一冊の本を読むことを指します。
もちろん、多読・速読のスキルを身につけて損はありません。
しかし、目的がないまま、やみくもに読書量を増やしても、読書に溺れるだけになると著者は警鐘を鳴らします。
というのも、著者自信も若い頃からビジネス書が大好きで、整理術や時間術、読書術といった類の本をそれこそ「溺れる」程読んできたようです。
そして時間術の本を読んでいるある時、ふと気づいたようです。
「自分の読書時間のうち半分以上をビジネス書の読書にあてている状態を効率的に時間を使っていると言えるのか」と。
我に返って本棚を見ると、整理術の本で溢れており、また速読法の本を買って他の何十冊もの速読術の本を読んで満足している自分に気づいたようです。
これは、私自身も頭の痛い話で、後ろを振り返るとビジネス書ばかりになっていたので、自分の知識の幅を広げるためにも、違ったジャンルの本を読まなきゃと思いました。
今思いつきましたが、節約に関する本を買い過ぎてお金がなくなることもこれに当てはると思います。
まさに「読書のパラドックス」と言える現象です。
時間は有限ですので、時間術の本を読むことに時間を奪われては本末転倒になります。。
なので、読書は量を増やすのではなく、質を上げなければなりません。
読書の質を上げるためには、大きく分けると「良い本を選ぶ」ことと「効率よく情報を得る」ことの2つの方法があります。
今回の内容2つ目の「二:七:一の法則」というのが「良い本を選ぶ方法」で、3つ目の「音楽的読書から絵画的読書へ切り替える」というのが「効率よく情報を得る方法」です。
まずは、「良い本を選ぶ方法」を紹介します。
本を選ぶ「二:七:一の法則」
先程から登場している「二:七:一の法則」というのは、心理学のコミュニケーション理論の一つで、人間関係を楽にするための法則です。
この法則は、自分の周りにいる人たちを二:七:一の割合で分類します。
最初の二割は何でも話せる親友と呼べる人たち。
次の七割は、礼儀正しく接していれば良好な関係を築ける人たちで、主にビジネス上の付き合いに多い関係だと言えます。
そして、残りの一割は、何をどうやっても上手くいかない人たちです。
二割の親友とはこれまでの関係を維持し、付き合い方を変える必要があるのは、残りの2つです。
具体的には、絶対に仲良くなれない一割の人たちとは、付き合う努力をしないで思い切って距離を取り、そのエネルギーを七割の人たちとの関係構築に使います。
以上が「二:七:一の法則」という適切な人間関係を築くためのコミュニケーション理論でした。
そして、これを読書に当てはめると、スラスラ読めて、読んでいて楽しい本は親友である2割に当たります。
これに該当するジャンルの本、もしくは好きな作家の本はどんどん読み、自分の世界を深めていきます。
反対に、一割のどうしても合わない本とは距離を置きます。
それは、世間から評価の高い名著と呼ばれるものでも、人から薦められたものでもです。
ムリに読もうとしても、余計な時間とエネルギーを使うだけなので、そのエネルギーを残りの七割の本を読むために使います。
そして、その七割の本を選ぶ時に「この本を読めば人生は変わるか?」という判断基準を持つことで、より質の高い読書習慣を身につけられます。
本を読むときは、是非この「二:七:一の法則」を使ってみてください。
音楽的読書から絵画的読書へ切り替える
最後に、「音楽的読書から絵画的読書へ切り替える」について説明します。
著者は、本の読み方を2つのタイプに分けています。
1つが「音楽的読書」です。
これは、音楽を聴くように、最初から最後まで順を追って読む方法で、小説がこれに当たります。
そして、もう一方が、「絵画的読書」です。
これは、美術館で絵を観るように好きなところから、必要な情報だけを読む方法です。
本のジャンルによって使い分けが必要ですが、どの本を読むときにも全てに目を通す「音楽的読書」になっている方は「絵画的読書」を取り入れると、ムダな時間や労力を減らせるかもしれません。
人が興味を持つのは、すでに8割は知っていることであると言われています。
知っていて関心があるからこそさらに学ぼうとするという姿勢で、心理学の世界では「認知論」として語られる学習メカニズムです。
つまり、自分の興味のあるジャンルの本を読むというのは、よく知っている8割の情報に対して「なるほど、やっぱりそうか」と安心し、2割の新たな情報に対して「なるほど、そうなのか」と知識を増やすという行為であることが分かります。
なので、「絵画的読書」のスキルを身につけ、自分の知らない2割の情報を効率よく吸収できるようになれば、読書の質を上げることができるということです。
まとめ
本がス好きな方は、つい本を買い過ぎて積読本で溢れかえっているということがあると思います。
本書を読めば、本を読むのはあくまでも手段であって目的ではないということを改めて認識できるはずです!
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