【村上春樹】おすすめ作品ランキング(あるいは小説ではないかもしれない)

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【村上春樹】おすすめ作品ランキング(あるいは小説ではないかもしれない)

サカキ
サカキ

こんにちは、サカキです!今回は、村上春樹さんの小説以外でおすすめの作品をランキング形式で紹介します!

 

村上春樹さんは小説家ですが、小説以外にも素晴らしい本が沢山あるので、この記事をきっかけに知っていただければ幸いです。

 

それでは早速第10位から紹介していきます。

 

第10位 村上朝日堂(エッセイ)

第10位は『村上朝日堂』です!

 

こちらは村上春樹さんのエッセイです。

 

『村上朝日堂』の文庫本が発売されたのが昭和62年なので、約30年前出版されたものになりますね。

 

このエッセイでは、村上春樹さんの高校・大学時代のことから「豆腐の一番美味しい食べ方」まで、日々のあれこれが書かれています。

 

今、たまたまひらいたP.48のページ「や〇ざについて」の内容を簡単に紹介します。

 

ちょっと物騒な話題ですね。笑

 

内容は、村上春樹さんが高校生の時の1人旅で、夜行列車に乗っていたら目の前に、やく〇のおじさんと情婦らしき人が座ってきたという話です。

 

その夜行列車は対面式なので向かい合わせに座っているという状況です。

 

気の弱い青年であった当時の村上春樹さんは別の席に移りたいと思いながらも、文句をつけられることを懸念して動けませんでした。

 

そんな時、一匹のが目の前に現れ、や〇ざのおじさんは手で払ってみたものの全くらちがあきませんでした。

 

そこで、やく〇のおじさんと情婦らしき人はおもむろにタバコを吸い出したようです。

 

蚊取り線香的なノリでタバコの煙で蚊を追い払うという作戦です。笑

 

そして、なんと16歳の村上春樹さんも強制的に協力させられ、一晩中タバコを吸い続けるはめになりました。

 

結局、「頭は痛む+寝不足」で散々な目にあったという話です。

 

やく〇のおじさんは、その青年がまさか世界的な作家になるとは全く思ってもいないはずです。笑

 

もしかしたら『村上朝日堂』を読んで

 

村上春樹ってあの時、一緒に蚊を退治した子じゃないか!

と気づいているかもしれませんね。

 

また別の話題で、村上春樹さんは電車の切符をよく失くすというエピソードも面白かったです。

 

切符を失くさないために村上春樹さんがとった行動が衝撃的でした!

 

ヒントは「体のある所に入れる」です。

 

答えは別の記事で紹介してるので、もし興味のある方は以下の関連記事をご覧ください。

関連記事:『初心者向け』村上春樹で挫折しない方法

 

 

第9位 みみずくは黄昏に飛び立つ(対談)

第9位は『みみずくは黄昏に飛び立つ』です!

 

こちらは、芥川賞作家の川上未映子さんと村上春樹さんの対談本となっています。

 

対談というよりも、川上未映子さんが村上春樹さんにインタビューをしていると言った方が正確かもしれません。

 

川上未映子は2008年に『乳と卵』芥川賞を受賞したことでご存知の方も多いかと思います。

 

本書のポイントは、他のインタビュアーの人では訊けないようなことを川上未映子さんは平気で訊いているということです。

 

話の訊き出し方がもの凄く上手いです!

 

サカキ
サカキ

それ知りたかった!よくぞ訊いてくれた!

と思わず拍手してしまいそうになりました。

 

また、川上未映子さんは村上春樹さんの作品を相当読み込んでいるということにも気づくはずです。

 

私はこの本を読んでから川上未映子さんに興味を持ち、小説からエッセイまで出版された作品を全て読みました。

 

私と同じように

サカキ
サカキ

村上春樹にここまで話させる川上未映子ってどんな人なんだろう

と興味が湧く人は少なくないと思います。

 

また『みみずくは黄昏に飛び立つ』は村上春樹さんの最新作『騎士団長殺し』が発売された後に出版されたもので『騎士団長殺し』の内容についても触れられています。

 

『騎士団長殺し』を読んだ方は必読の1冊となっていますので、是非読んでみてください。

 

 

第8位 夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです(インタビュー集)

第8位は『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです』です!

 

こちらは、1997年から2011年に行われた村上春樹さんのインタビュー集となっています。

 

19人から受けたインタビューの内容が収録されており文庫本で580ページという分量なので、とても読み応えがあります。

 

  • スプートニクの恋人
  • 海辺のカフカ
  • アフターダーク

 

以上の作品についての内容や、短編小説をどのようにして書いているのかについて述べられています。

 

村上春樹さんは、自分の作品の内容についてはあまり語らないことで有名なので、とても貴重な1冊です。

 

この本を読めば、モヤモヤしていた作品の謎が解けるかもしれません。

 

そして、なんと言っても『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです』というタイトルが素晴らしい!

 

第7位 村上さんのところ(Q&A)

第7位は『村上さんのところ』です。

 

こちらには、読者と村上春樹さんの473本のメールのやりとりが収録されています。

 

このメールのやりとりは期間限定で行われており、なんと3万7465通ものメールが届き、全てに目を通すのに3ヶ月以上もかかったそうです。

 

なかなかの重労働ですよね。

 

村上春樹さんはそのメールに対して

サカキ
サカキ

了解

とか

オッケー

というように適当に返すわけではなく、しっかり回答されています。

 

  • 天国はどんなところ?
  • 同性婚は賛成?反対?
  • 最近どんな本を読んでいますか

 

などなど、なかなか興味深い質問も沢山あります。

 

エッセイとは違った角度で、村上春樹さんを知ることができます。

 

ちなみに、同性婚は賛成で村上春樹さんの周りにはゲイなどの友達が多いようです。、

第6位 村上春樹、河合隼雄に会いに行く(対談)

第6位は、『村上春樹、河合隼雄に会いに行く』です。

 

こちらは、臨床心理学者の河合隼雄さんと村上春樹さんの対談になります。

 

村上春樹さんが他の方と対談することはとても貴重です。

 

先程の川上未映子さんの時と同様に、私はこの本を読んで河合隼雄さんにも興味を持ち、全てではありませんが多数の書籍を読みました。

 

河合隼雄さんは心理学者ということもあって、本書では人の心をテーマに対談しています。

 

「自己治療と小説」という章では、村上春樹さんが次のように語っています。

 

なぜ小説を書きはじめたかというと、なぜだかぼくもよくわからないのですが、ある日突然書きたくなったのです。いま思えば、それはやはりある種の自己治療のステップだったのだと思うのです。-本書p.79より

 

村上春樹さんは野球観戦をしている時に突然「そうだ小説を書こう!」と思ったというのは有名です。

 

しかし、「自己治療のステップ」として小説を書き始めたと言ったのはこの対談が(おそらく)初だと思います。

 

ある意味村上春樹さんが河合隼雄さんにカウンセリングを受けているようにも感じました。

 

相手が河合隼雄さんだからこそ言えたことも多いにあると思います。

 

そして、非常に残念なことに河合隼雄さんは2007年に亡くなられています。

 

河合隼雄さんの書籍を読めば、とても温かみのある方だという印象を受けるはずです。

 

関連記事:『村上春樹、河合隼雄に会いに行く』内容紹介

 

第5位 走ることについて語る時に僕の語ること(エッセイ)

第5位は、『走ることについて語る時に僕の語ること』です。

 

こちらは、「走る小説家」で有名な村上春樹さんが、走ることを通じて自分自身のことについて語っている本です。

 

運動にそれほど興味がない私は、この本を読む前は

サカキ
サカキ

村上春樹さんは好きだけど走ることは興味ないから読まなくてもいいかな

と読むのを後回しにしていました。

 

しかし、実際に読んでからそれは間違いであったことに気づきます。

 

  • この本は村上春樹さんが好きな人であれば、走ることに興味のない人であっても楽しめます。
  • 走ることが好きな人であれば、村上春樹さんに興味のない人でも楽しめます。
  • 唯一、村上春樹さんにも走ることにも興味がない人は楽しめないかもです。笑

 

この本に名言がかなり多いんですよね。

 

ここでは一つ紹介します。

 

ちょっと長いですが、最高の文章です!

 

走っているときに頭に浮かぶ考えは、空の雲に似ている。いろんなかたちの、いろんな大きさの雲。それらはやってきて、過ぎ去っていく。でも空はあくまで空のままだ。雲はただの過客(ゲスト)に過ぎない。それは通り過ぎて消えていくものだ。そして空だけが残る。空とは、存在すると同時に存在しないものだ。実体であると同時に実体ではないものだ。僕らはそのような茫然とした容物(いれもの)の存在する様子を、ただあるがままに受け入れ、呑み込んでいくしかない。-本書p.35より

 

これヤバくないですか?

 

まるで「詩」のようですよね。

 

走ることについてこれほど美しい言葉で語れる人は他にはいないはずです。

 

心を空(そら)で例えていますが、仏教の空(くう)を象徴しているようにも感じます。

 

このブロックを読むだけでも、村上春樹さんの文章力の高さが分かると思います。

 

この本では、質が高く、もの凄く贅沢な文章を味わうことができます。

関連記事:『走ることについて語るときに僕の語ること』内容紹介

 

第4位 約束された場所で(インタビュー集)

第4位は『約束された場所で』です。

 

こちらは、1995年に地下鉄サリン事件を起こした「オウム真理教」の信者と元信者にインタビューした内容をまとめた本です。

 

「オウム真理教」の人を相手にインタビューをするのでとてもデリケートな内容とも言えます。

 

インタビューですので、村上春樹さんが話す量よりも相手が話す量の方が多いです。

 

基本、村上春樹さんは対談・エッセイでは物腰が柔らかい印象がありますが、この本は他とは全然違う印象を受けました。

 

村上春樹さんは「オウム真理教」を肯定するわけでも信者に説教をするわけでもなく、あくまでも中立の立場をとっています。

 

しかし、他ではあまり見られない厳しめの言葉が何度か見られました。

 

インタビューの相手が、「公式な形で自分たちがやったことの総括をしようとは思うけど、それを発表してくれるマスコミがいない」と言ったことに対して、村上春樹さんは次のように言います。

 

それはあなた方があなた方の言葉と文法でしか話そうとしないからじゃないですか。普通の言葉で、普通の論理で、普通の人に話せるようにならないと駄目でしょう。上からものを言おうとするから、誰も聞かないんですよ。―本書p.109

 

もの凄い正論ですね。

 

文章なので、細かい感情は分かりませんが、ある面では他人事のように思っている信者に怒りが滲み出てしまっているようにも感じます。

 

また『約束された場所で』の巻末には、『村上春樹、河合隼雄に会いに行く』で紹介した河合隼雄さんとの対談も掲載されています。

 

私は普段フセンを貼りながら本を読んでいますが、信者へのインタビューよりも河合隼雄さんとの対談の方が多くフセンを貼ることになりました。

 

この対談はサリン事件に関する対談ですので、是非併せて読んでみてください。

関連記事:『約束された場所で』内容紹介

 

第3位 アンダーグラウンド(インタビュー集)

第3位は『アンダーグラウンド』です。

 

こちらは、先程紹介した『約束された場所で』とは逆に、サリン事件の被害者へインタビューした内容をまとめたものです。

 

『アンダーグラウンド』は、地下鉄サリン事件の一般被害者についての情報がわずかしか報道されていないということに村上春樹は違和感を持ち、私たちはこの事件の被害者のことをもっとありありと知るべきであるという信念に基づいて書かれました。

 

『約束された場所で』とは違って、『アンダーグラウンド』には村上春樹さんの声がほとんど入っていません。

 

なので、インタビューを受けている被害者の独白のような形になっています。

 

マスコミからインタビューを受けた被害者の方いわく、自分が話した内容を都合よく切り取られて報道されており、本当に伝えたいことが全然反映されていないということがあったようです。

 

村上春樹さんは自分が書いた本で涙を流すなんてことはないようですが、『アンダーグラウンド』だけは違うと言います。

 

私はサリン事件が起こる1年前の1994年に生まれたので、その当時のことは全く記憶にありません。

 

私と同じ世代の方にとっては、この事件についての理解を深めるためには必須の1冊だと思います。

 

第2位 若い読者のための短編小説案内

第2位は『若い読者のための短編小説案内』です。

 

この本では、村上春樹さんなりの短編小説の読み方が記されています。

 

題材は、戦後に文壇に登場した「第三の新人」と呼ばれる作家の小説を扱っています。

 

  • 吉行淳之介『水の畔り』
  • 小島信夫『馬』
  • 安岡章太郎『ガラスの靴』
  • 庄野潤三『静物』
  • 丸谷才一『樹影譚』
  • 長谷川四郎『阿久正の話』

 

今の若い人はあまり馴染みのない作家ではないでしょうか?

 

なんか難しそう

 

と尻込みする気持ちは分かりますが、『若い読者のための短編小説案内』ではとても分かりやすく紹介されています。

 

何と言っても村上春樹さんの読み方が凄すぎることに気づくはずです。

 

サカキ
サカキ

え?こんな読み方できるの?

 

と驚くと思います。

 

面白い作品を描ける人は、読む能力も高いというのが分かります。

 

純文学作品を読んだあと

 

これ、結局どういう話だったの?

 

とスッキリしなかったという経験はありませんか?

 

ここでは、村上春樹さんの視点を借りて純文学を読むことができるので、純文学迷子にならずに済みます。

 

小難しい文学論は出てきませんので、とても読みやすいです。

 

村上春樹、すげー

 

となること間違いありません。

 

全若者にオススメします!

わしは?

 

サカキ
サカキ

「わし」にもオススメ!

第1位 職業としての小説家(エッセイ)

第1位は、『職業としての小説家』です。

 

こちらでは、村上春樹さんが小説家論について語っています。

 

  • 小説家とはどのような人間か
  • どのように作品をつくっているのか
  • 小説とはどのようなものであるべきか

 

などなど、長年作家を続けてきた村上春樹さんの持論が展開されています。

 

ここでは、村上春樹さんが作家をどのような人間であると捉えているのかを紹介します。

 

僕も含めてたいていの作家は(だいたい九二パーセントくらいじゃないかと僕は踏んでいるのですが)、それを実際に口に出すか出さないかは別にして、「自分がやっていること、書いているものがいちばん正しい。特別な場合は別にして、他の作家は多かれ少なかれみんな間違っている」と考え、そのような考えに従って日々の生活を送っています。―本書p.11

 

ドストレートかつ分かりやすい説明です!

 

そして「僕も含めて」と言っているところが偉いですよね。笑

 

自分が1番正しいという信念がなければ作品を生み出せないとも言えます。

 

また、本書では村上春樹が思う「オリジナルと呼ぶための条件」だったり「原発」についての考えも記されています。

 

この本には村上春樹さんのエッセンスがたっぷり詰まっているので、村上春樹さんに少しでも興味があるという方には是非読んで欲しい本です!

 

もっと村上春樹さんが好きになること間違いありません。

 

村上春樹おすすめ作品ランキングは以上です!

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