【中村文則】おすすめ小説ランキング5選~作風から傑作まで一気に紹介!~

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【中村文則おすすめ小説ランキング5選】~作風から傑作まで一気に紹介!~

サカキ
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こんにちは、ブロガー兼VTuberのサカキです!今回は、現代の人気純文学作家である中村文則さんのおすすめ小説を5冊ランキング形式で紹介します

 

ちなみに私は、中村文則さんの小説がもの凄く好きで、単行本・文庫本として出版された作品は全て読んでいます。

 

もし、中村文則さんの小説が気になっているけど、どの本から読めばいいか分からないという方は、今回紹介する順位を参考にしてください。

 

ランキングを紹介する前に、中村文則さんを知らない方のために、どのような作家なのかをザックリと説明します。

 

今回紹介する中村文則のさんの作風は3つです。

 

  1. 読みやすいこと
  2. 「悪」「狂気」「宗教」「脳科学」がテーマ
  3. 「絶望」が背中を押してくれる

 

中村文則は読みやすい!

まず、1つ目の読みやすいことについてですが、中には純文学に対して、次のようなイメージを持っている方もいらっしゃるかと思います。

 

  • 難しそう
  • 読みづらそう
  • つまらなそう

 

しかし、中村文則さんの小説は、今上げたもの1つも当てはまりません。

 

  • 読みやすい
  • 難しくない
  • オモシロイ

 

中村文則さんの作品はこの3つがそろっています。

 

難しくないと言っても、もちろん内容が薄いワケではありません。

 

また、純文学はストーリー性が弱いとも言われますが、中村文則さんの小説はストーリーもオモシロイです!

 

中には「ダークな伊坂幸太郎」と表現する人もいるくらいです。

 

中村文則さんの文章は平易な言葉が遣われ、一文一文が短いのでリズム良く読み進められます。

 

純文学アレルギーな人にもオススメできる作家です。

中村文則の小説のテーマ:「悪」「狂気」「宗教」「脳科学」

続いて、特徴2つ目は、中村文則さんの小説のテーマが「悪」「狂気」「宗教」「脳科学」であることです。

 

私はこの中でも、「狂気」に惹かれており、中村文則さんの小説に出てくる、どこか狂っている登場人物に魅力を感じています。

 

人には、みんな良い部分もあれば、狂っているところもあるはずです。

 

中村文則さんの小説を読むと、今まで自分が目を向けないようにしていた自分の「狂気」と向き合うことができると思います。

 

私が好きな狂っている登場人物は後ほど紹介します。

中村文則の「絶望」は、あなたの背中を押してくれる

特徴3つ目は、「絶望」が背中を押してくれることです。

 

どういう意味かと言うと、中村文則さんの作品は、暗い話が多く、作者同様に主人公も絶望している場合が多いです。

 

普通、背中を押すというと、前向きな言葉であったり明るい物語だったりすると思います。

 

しかし、私は中村文則さんの小説を通じて、生きるのが辛いと感じているのは自分だけではない。

 

いや、もっと絶望している人がいるんだと感じ、これくらいでくじけている場合ではないと思えるようになりました。

 

これは、太宰治の『人間失格』を読んで共感する感覚に近いと思います。

 

落ち込んでいる時に明るい物語を読むと、眩し過ぎて目が眩むことがあると思います。

 

そんな時は中村文則さんの暗い小説を読んで、ドン底まで落ちるのも悪くないです。笑

 

以上の話から、中村文則さんがどのような作家なのか大体イメージがついたと思います。

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中村文則おすすめ小説ランキング5選

それでは、今回の本題、中村文則さんのオススメ小説を5冊ランキング形式で紹介します。

 

第5位 悪意の手記

まず、中村文則さんのオススメ小説 第5位は『悪意の手記』です。

 

この物語に登場する主人公は15歳の時に、治療が失敗した場合、死亡率が80%という病に冒され生死の境を彷徨います。

 

彼は病院での入院中、死の恐怖から逃れるため、また死を正当化するために、生を否定し死を肯定します。

 

彼は奇跡的に一命を取り留めたものの、生きることを放棄してしまったので、生き延びられることを素直に喜べず複雑な心情のまま退院することになりました。

 

彼は、人生を取り巻くあらゆるものに価値を感じられなくなり、公園で自殺することを決意します。

 

しかし、その公園で偶然にも友人のKと出会いました。

 

彼と話をしている途中で首をくくるための大木を見ると、いよいよ自分はあと数分で死ぬことを悟ります。

 

これでやっと終わると安堵感すらありました。

 

ふと大木から視線を逸らすと、公園の池を覗くKの姿が目に入ります。

 

そこで彼は、なんと衝動的にKを池へと突き落とし殺してしまうんです。

 

Kを殺害した後、主人公は首を吊って自殺を試みたものの、途中で縄が切れてしまったので断念します。

 

平然とKの葬式にも出席し、その時に世間的にはKが自殺をしたことになっていることを知ることになります。

 

Kを殺した主人公は、堕ちるところまで堕ちた自分に快楽すら感じていました。

 

主人公は、人殺しという罪を背負いながら生きていくことを決意します。

 

人はなぜ人を殺してはいけないのか、殺人を犯した人間に救いはあるのか。

 

この小説は、「罪」と「罰」という究極のテーマに向き合った問題作であり、傑作とも呼べる作品です。

 

ところで、この友人のKというアルファベットに見覚えはありませんか?

 

Kは夏目漱石が生み出した、かの有名な文学作品『こころ』にも登場しますよね。

 

『こころ』では、親友のKを自殺に追い込んだ「先生」は、生涯その罪を背負って生きていくことになります。

 

このことから、夏目漱石は間接的にでも殺人を犯した人は一生救われない、いや救われるべきではないと主張していると考えられます。

 

一方、中村文則さんの『悪意の手記』では主人公は、ある登場人物に「生きていて欲しいと思う。あなたが、過去に何をやったのだとしても」と言われます。

 

中村文則さんが主張したいことは、どんな罪を犯した人であっても生きる権利があるということです。

 

『悪意の手記』の解説に、「猟奇的」と言われる少年犯罪が起きても、それを全く他人事とは思えないと書いています。

 

それは、中村文則が思春期の自分を振り返った時に、ギリギリまで沈んだ経験があるからだと言います。

 

このように、中村文則さんの小説には「彼ら側の視点」つまり、犯罪者など世間から煙たがられるような人たちの視点で書かれた作品がとても多いです。

 

それは、彼が描く小説の一つのテーマになっています。

 

初っ端から話が長くなってしまったので、第4位の発表に移ります。

 

第4位 最後の命

中村文則さんのオススメ小説 第4位は『最後の命』です。

 

『最後の命』は、柳楽優弥さん主演で2014年11月に映画が公開されています。

 

簡単にあらすじを紹介します。

 

疎遠になっていた幼馴染みの冴木からこの作品の主人公に「お前に会っておきたい」と連絡がありました。

 

しかし、その直後に主人公の部屋に一人の女性の死体が見つかります。

 

当然、主人公が疑われることになりますが、指紋採取を行ったところ、なんと幼馴染みの冴木のものであることが判明します。

 

冴木が企んでいることとは、、、。

 

あらすじはこのくらいにして、『最後の命』の魅力を紹介します。

 

この作品を読むと「遺伝」と「性格(性癖)」について考えさせられます。

 

『最後の命』に登場する冴木は、なんと人を無理やり犯すことでしか「快楽」を得られない人間なんです。

 

これを聞くと「変態!」とか「キモ!」とか「犯罪者!」と言って突き離す人も少なくないと思います。

 

ここで考えて欲しいのは、もし自分が冴木と同じように「人を無理やり犯すことでしか快楽を得られない人間」だったとしたら、どう思いますか?

 

自分の性格というのは、遺伝と環境で大部分が決まります。

 

なので、「性格」だけでなく「性癖」も自分で決められるわけではありません。

 

もし、自分が犯罪をすることでしか性欲を満たせないとなると、かなり最悪ではないでしょうか?

 

自分の恋愛対象が小学生だとしたら、絶望しませんか?笑

 

そう考えると他人事ではなくなるはずです。

 

犯罪者は自分がコントロールできないことによって、罪を犯してしまったのかもしれません。

 

加害者自身も被害者なのではないかと考えさせられる作品です。

 

 

第3位 銃

続いて、中村文則さんのオススメ小説 第3位は『銃』です。

 

この小説は、中村文則さんのデビュー作です。

 

村上虹郎さん・広瀬アリスさんのW主演で、2018年11月に映画が全国公開されました。

 

まずは、あらすじを簡単に紹介します。

 

『銃』という作品を一言で表すと、大学生の主人公が銃を拾ったことをきっかけに人生が狂ってしまうという物語です。

 

主人公は銃を河原で拾いますが、その銃の横には男性の死体がありました。

 

誰にも見られていないことを確認し、主人公は銃を家に持ち帰ります。

 

後日、警察が殺人の凶器として使われた銃の行方を追っているということをニュースで知ることになりました。

 

この銃が見つかれば、自分は殺人犯として捕まってしまうのではないかと不安になります。

 

しかし、自分が銃を持っていることは自分しか知らないと確信し、落ち着きを取り戻します。

 

彼は次第に銃の美しさに魅了され、自分の手元に銃があることに対して大きな喜びを感じていました。

 

ある時、夜の公園で一匹の黒猫に出会います。

 

その猫は大けがをしており、もう長くはなさそうで、その目は「早く楽になりたい」と訴えかけているように見えました。

 

主人公は無意識のうちに銃を取り出し、猫に向けて発砲します。

 

銃を撃った時の衝撃と火薬のニオイに快楽を感じ、もう一発猫に向かって撃ちました。

 

ふと我に返り、彼はそのまま走って家に帰ります。

 

そして、ある時何の前触れもなく、主人公の家に警察が訪ねてきました。

 

その警察は、主人公が銃を持っていることを確信しており、「あなたは、いつか人に向けて撃つことになる」と断言します。

 

果たして彼は警察に捕まってしまうのか、また、銃を人に向けて撃つことになるのかに注目です。

 

この作品の魅力は、銃が「人を狂わせるモノ」を象徴しているということです。

 

『銃』の主人公は、銃を拾ってしまったばっかりに銃に魅了され、人生が大きく狂ってしまいました。

 

それまでは「普通」に生活をしていたのに、あるモノと出会ったことをきっかけに、大きく人生が変わってしまった。

 

みなさんには、そのような経験はありませんか?

 

人によっては、麻薬かもしれませんし、ギャンブルかもしれません。

 

『銃』という作品は、人生の脆さを象徴しているようにも受け取れます。

 

この作品の主人公は銃を拾いましたが、あなたは何を拾うことになるのでしょうか?

 

第2位 遮光

続いて、中村文則さんのオススメ小説 第2位は『遮光』です。

 

『遮光』に登場する主人公は、恋人が事故で死んでしまったにも関わらず、周囲には彼女は元気でやっているとウソをついています。

 

また、人が経験した話をあたかも自分の経験談であるかのように愉快そうに話したりもしています。

 

いわゆる「虚言癖」というやつです。

 

誰も得も損もしないウソをついている主人公が本当に不気味で理解できません。

 

しかし、その意味の分からなさに魅力があります。笑

 

こればっかりは読んでもらわないと分からないと思いますが、この主人公の意味不明なところに惹かれる人もいるはずです。

 

ワケが分からなくて笑ってしまうこともありますが、反対に気持ち悪すぎてゾッとすることもあります。

 

そして驚くべきことに、なんと彼は彼女の体のある一部を入れたビンを常に持ち歩いています。

 

これは、完全に気持ち悪いですよね笑。

 

しかし彼は、自分がそのビンを隠し持っていることに大きな喜びを感じています。

 

これと似た話に聞き覚えはありませんか?

 

そうです、先ほど紹介した『銃』と似ています!

 

『銃』と『遮光』に登場する主人公の共通点は、「何かを隠している」ということです。

 

これを身近なものに例えると「性癖」が近いのでないかと思います。

 

胸が好きというのであれば、多くの人に共通しているので隠す必要はありませんが、「特殊な性癖」の場合は、そうはいきません。笑

 

もしかすると、友達にドン引きされるかもしれませんし、それがきっかけで恋人に振られるなんてこともあるかもしれません。笑

 

みなさんは誰にも言えない「性癖」はありませんか?

 

これを踏まえて読めば、『銃』や『遮光』に出てくる主人公に親近感が湧くかもしれません。

 

いよいよ中村文則さんのオススメ小説 第1位の発表になります。

 

第1位 何もかも憂鬱な夜に

第1位に輝いたのは『何もかも憂鬱な夜に』です!

 

まず、このタイトルが素晴らしい!

 

何もかも憂鬱な夜って誰にでもありますよね?

 

憂鬱な時に是非読んで欲しい作品です。

 

簡単にあらすじを紹介します。

 

主人公は児童養護施設で育ち、犯罪者を監視する刑務官をしています。

 

夫婦を刺殺した20歳の未決囚の山井を担当しており、一週間後に控訴期限が切れると死刑が確定するという状況です。

 

刑務官である主人公は、いつか自分は衝動的に犯罪を犯すのではないかと思っているため、殺人を犯した山井に親近感を感じています。

 

主人公は、子どもの頃に一度自殺を試みたこともありましたが、児童養護施設の施設長の言葉によって救われます。

 

結局、山井には死刑判決が下されました。

 

そこで主人公は、自分が施設長に救われた経験を基に何かできることはないかと模索します。

 

この作品を読むと、本当に死刑制度は必要なのかを考えさせられるはずです。

 

『何もかも憂鬱な夜に』に出てくる名言を一つ紹介します。

 

以下のセリフは、自殺を試みた主人公に向けて施設長が言った言葉です。

 

「現在というのは、どんな過去にも勝る。そのアメーバとお前を繋ぐ無数の生き物の連続は、その何億年の線という、途方もない奇跡の連続は、いいか?全て、今のお前のためだけにあった、と考えていい」-『何もかも憂鬱な夜に』p.155より

 

人生でイヤなことがあったり、辛いことがあると、つい生きる意味を見失ってしまうことがあります。

 

果たして自分は生きる価値のある人間なのか、自分の命に価値なんてあるのかとネガティブな感情に襲われることがあると思います。

 

しかし、今自分が生きているのは、一匹のアメーバから自分の両親まで連続する生命の線が切れなかったからです。

 

アメーバから自分まで続いた奇跡の連続は、自分のためだけにあった。

 

この言葉に凄く感動しました。

 

自分の命は奇跡の上に成り立っている。

 

そう考えると、命に価値がないわけがないですよね。

 

そして、自分だけでなく、他の人の命も同様に奇跡の上で成り立っています。

 

一つの命が無価値なわけがないと、この文章を読んで改めて気づかされました。

 

『何もかも憂鬱な夜に』を何もかも憂鬱な時に読めば、その憂鬱が吹き飛ぶかもしれません。

 

少なくとも私は、頑張って生きようと思えました。

 

暗い気持ちの時は、無理に明るい話を読んでも逆効果な時があります。

 

暗い時こそ、暗い話を読んでみてはいかがでしょうか。

 

ランキングの紹介は以上です。

 

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特別枠 教団X:オススメはしません!

今回、無理やりランキングをつけましたが、正直順位なんてつけられません。

 

私の中ではどれも1位だと思っています。

 

ここまで読んで、ある作品がランキングに入っていないことにツッコミをいれたくなった方もいるかと思います。

 

その作品というのは、中村文則さんの代表作『教団X』です。

中村文則さんと言えば『教団X』で、『教団X』と言えば中村文則さんですよね。

 

なぜ、今回ランキング入りしなかったのかというと、私が『教団X』が好きではないからではありません。

 

もちろん、大好きに決まっています。笑

 

大好きな『教団X』をランキングに入れなかった理由は、単に「分量が多い」からです!

 

もし、この記事を読んでいる方で1度も中村文則さんの作品を読んだことがないという方もいらっしゃるかと思います。

 

中村文則初心者の方が、いきなり『教団X』を読むとどうなるか、、、多くの方が挫折することが予想されます。

 

アメトークの読書芸人で『教団X』が紹介されて話題になったため、認知度は1番高いです。

 

しかし、1発目にしては分量も内容もヘビー過ぎる気がします。

 

なので、今回紹介したものは、全て文庫本200ページ前後で読みやすいものを厳選しました。

 

もちろん、短いからと言って面白くないなんてことはありません。

 

まだ中村文則さんの作品を読んだことがないという方は、まずは今回紹介した5冊の中で気になったものを読んでみてください。

 

そして、「中村文則面白い!」と興味が出てきたら、是非『教団X』を読んでみてください。

 

『教団X』は、「宗教」「悪」「脳科学」「狂気」など複数のテーマが詰まった、中村文則さんの集大成と言える作品になっています。

 

中村文則さんの作品が好きな人で『教団X』が面白くないという人はいません。(たぶん笑)

 

そして、『教団X』を読み終わった後には是非『R帝国』という作品を読んでみてください。

『R帝国』はいわゆる『ディストピア』(ユートピア:理想郷の反対)もので、メチャクチャ面白いです!

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中村文則おすすめ小説ランキングまとめ

最後に今回紹介した中村文則さんのオススメ小説のランキングをまとめておきます。

 

第1位 何もかも憂鬱な夜に:何もかも憂鬱な時にオススメ!

第2位 遮光:虚言癖がクセになる!

第3位 銃:拾った途端に人生狂った!?

第4位 最後の命:犯罪でしか快楽を得られない男現る

第5位 悪意の手記:殺人を犯した人に救いはあっていいのか?

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