【10分で要約】落合陽一『日本再興戦略』書評~落合陽一おすすめ本~
今回は、落合陽一さんの『日本再興戦略』という本の内容を10分で要約します!
今回紹介する内容は、大きく分けて次の2つです!
- 5Gにより日本に起こる変化
- 人口減少と高齢化がチャンスである理由
まずは、1つ目の5Gにより日本に起こる変化から説明します。
5Gにより日本に起こる変化
まず、5Gについて簡単に説明すると、5Gというのは、次世代通信システムのことです。
現在は4Gですが、これが5Gになると、通信速度が100倍になり、容量が1000倍になると言われています。
この5Gを日本は2020年から東京で開始する予定となっています。
次世代通信システムである5Gによって、落合陽一さんが考える日本での変化を3つ紹介したいと思います。
その3つとは、次のとおりです。
- 自動運転車同士でのコミュニケーション
- 3次元のリアルタイム中継
- 触覚伝達
それでは、順番に説明していきます!
1.自動運転車同士でのコミュニケーション:交通事故の減少へ
まずは、5Gにより日本に起こる変化1つ目の「自動運転車同士のコミュニケーション」について説明します。
落合陽一さんは、2025年くらいになると、日本でも自動運転車がある程度走っているのではないかと予想しています。
そして、5Gにより高速で情報を伝達できるようになると、車同士でコミュニケーションが取れるようになると言われています。
自動運転車同士で、今どこをどれくらいのスピードで走っているのかをリアルタイムでやりとりすることで、交通渋滞や事故を防ぐことができます。
警視庁の調べによると、平成29年における交通事故の死亡者数が3,694名ということですので、自動運転により、交通事故での死亡者が減ることが期待されます。
ー警視庁HPより
2.3次元のリアルタイム中継:スマホが姿を消す!?
続いて、5Gにより日本に起こる変化2つ目の「3次元のリアルタイム中継」について説明します。
5Gによって、容量の大きいデータを送ることができるようになるので、動画のリアルタイム中継の可能性が広がると言われています。
現在は、YouTubeなどの生配信は、wi-fiが繋がっているところでないとキビシイですが、5Gにより、高画質かつ遅れを感じることなく配信が可能になるようです。
また、それだけでなく、専用のゴーグルをつけることで、3次元で中継を楽しむことができるとされています。
例えば、サッカーでは、審判にカメラをつけることで、審判目線でサッカーを観ることができ、臨場感を感じながらより一層試合を楽しめるようになると考えられています。
この専用のゴーグルが普及することで、現在天下を取っているスマホが姿を消す可能性もあります。
ゆくゆくはゴーグルではなく、コンタクトレンズ型のデバイスが普及すると考えられています。
現在でも、この分野の研究は盛んに行われており、2023年頃にはコンタクトレンズ型のデバイスがブレイクするのではないかとのことです。
3.触覚伝達:遠隔手術が可能に!
続いて、5Gにより日本に起こる変化3つ目の「触覚伝達」について説明します。
今は、タブレットなどにペンで字を書く時、多少の時間差があるかと思います。
これが5Gになると、ほとんど遅れがなく、紙に文字を書くのと同じ感覚で書けるようになるようです。
他にも、ロボットを使って離れた場所から手術を行う「遠隔手術」や、看護師が患者が乗っている車イスを離れた場所から操作する「遠隔介護」も可能になります。
遠隔手術や遠隔介護での1番の問題は、「通信の遅れ」と言われており、5Gによりこの問題が解消されると、人手不足の問題の解決にもつながります。
以上説明したように、5Gにより色々なメリットがあることが分かっていただけたと思います。
テクノロジーの進化により生じる問題:テクノロジー恐怖症
しかし、テクノロジーが進化することで起こる問題もあります。
それは「テクノロジー恐怖症」です。
「テクノロジー恐怖症」というのは、スマホやSNSなどのテクノロジーによってもたらされる恩恵を受けながら、テクノロジーを批判するというおかしな現象です。
世の中には、よくわからないという理由で新しいものを否定する方が一定数存在します。
しかし、根拠のないテクノロジー批判は、生活を悪化させるだけです。
そのため「テクノロジー恐怖症」の方と折り合いをつけ、今日よりも明日の方がよくなるような社会にする必要があると、落合陽さんは主張しています。
本書では、「テクノロジー恐怖症」の方を納得させるオモシロイ話が紹介されていました。
例えば、介護ロボットを導入する時に、「ウォシュレットと人どっちにお尻を洗って欲しい?」と訊くことです。
大抵の人はウォシュレットと答えるはずです。
介護ロボットという新しいテクノロジーに対して、いつも使っているウォシュレットと同様であるという認識をもってもらうことで理解を促すことができます。
『5Gにより日本に起こる変化』まとめ
5Gにより日本に起こる変化の内容をまとめます。
落合陽一さんが考える5Gによって可能になることは以下のとおりです。
- 自動運転車同士でのコミュニケーション→ 事故の減少へ
- 3次元のリアルタイム中継→ 生配信に追い風
- 触覚伝達 → 遠隔手術が可能に
続いて、今回の大きな内容2つ目の日本における人口減少と高齢化がチャンスである理由について説明します!
日本における人口減少と高齢化がチャンスである理由
続いて、日本における人口減少と高齢化がチャンスである理由を3つ紹介します!
一般的には、人口減少と高齢化は、ネガティブなものであると捉えられていますが、落合陽一さんはこれをチャンスであると考えています。
その理由は、次の3つです。
- 「打ち壊し運動」が起きないこと
- 「輸出戦略」がとれること
- 「教育投資」ができること
1.「打ち壊し運動」が起きないこと:移民よりAIの導入!?
それでは、日本における人口減少と高齢化がチャンスである理由1つ目の「打ち壊し運動」が起きないことについて説明します。
「打ち壊し運動」というのは、仕事を機械にとられた労働者が、怒り狂って機械を破壊する運動です。
産業革命により勃発した「ラッダイト運動」という言葉を学校の授業で習った記憶があるかと思います。
日本では、AIが普及したとしても、そのような「打ち壊し運動」が起きないと考えられています。
その理由は、日本の労働人口が年々減ってきており、人手が足りていないからです。
もし、人手が余っている状態で、AIを普及させると失業者が出てしまい、反感を買いかねません。
しかし、元々人手が足りていない業界や人がやりたがらない仕事をAIが代わりにやれば、反感を買わずに済み、また人手不足を解消することができます。
政府は、足りていない労働力を移民によって補おうとしていますが、落合陽一さんは、その政策に反対しています。
その理由は、政治的にも警備的な面においてもコストがかかり過ぎることに加えて、国民が移民を受け入れられないのではないかと考えられるからです。
なので、無理に移民によって人口を維持する必要はなく、AIによって国民一人あたりの生産量を増やすことが得策であるということです。
2.「輸出戦略」がとれること:日本の技術を外国に売り放題!?
続いて、人口減少と高齢化がチャンスである理由2つ目の「輸出戦略」がとれることについて説明します。
日本は、世界でも人口減少・高齢化が早く進んでいます。
しかしこの先、中国を筆頭に世界中でも高齢化が起こることが考えられています。
これを逆手にとり、高齢化の解決策を生み出すことができれば、輸出ビジネスへとつなげることができます。
その解決策の典型として挙げられるのは、先程から登場しているAIなどのロボットです。
今までは、ヨーロッパやアメリカで生まれたビジネスを時間差で日本が輸入するという「タイムマシンビジネス」が主流でした。
しかし、今後は、日本で開発した少子高齢化対策の技術を中国を含めたアジア諸国に輸出する「逆タイムマシンビジネス」が可能になると考えられています。
3.「教育投資」ができること:幼児教育無償化は正しかった!?
続いて、人口減少と高齢化がチャンスである理由3つ目の「教育投資」ができることについて説明します。
これからの日本は、子ども一人あたりにかけられる教育コストを増やすことができると考えられています。
その理由は、人口減少と高齢化により、相対的に子どもの数が少なくなるからです。
少子化がさらに進むと、子どもは貴重な存在であるという認識が広まり、教育にコストをかけても不平が出にくくなります。
落合陽一さんは、子どもにお金をかけることが社会善であると考えており、2017年に安倍政権が打ち出した「幼児教育の無償化」は正しかったと考えています。
たしかに、選挙で投票してくれる高齢者にとって都合の良い政策よりも、次世代を担う子供たちへの教育投資をした方が、長い目で見ると日本全体の成長につながると考えられます。
『日本における人口減少と高齢化がチャンスである理由』まとめ
日本における人口減少と高齢化がチャンスである理由をまとめます。
世間ではネガティブなものとして捉えられている人口減少と高齢化は、実は日本にとってチャンスであると落合陽一さんは考えており、今回はその理由を3つ紹介しました。
【1.「打ち壊し運動」が起きないこと】
もし、人出が余っているところでAIを使うと反感を買う恐れがありますが、人手が足りていない日本では、単純労働などの仕事をAIに任せることに対する不平が出づらいということでした。
【2.「輸出ビジネス」につながること】
人口減少と高齢化の問題の解決策を一足先に日本が開発することで、AIやその他のサービスを輸出することができるようになるということでした。
【3.「教育投資」が可能になること】
少子化により子どもの数が少なくなると、子どもは貴重であるという認識が広まり、子ども一人あたりにかけられる教育コストを増やすことができるということでした。。
本書『日本再興戦略』では、今後どうすれば日本は良くなるのかだけでなく、現代を生きる人が身につけるべきスキルについて、落合陽一さんが出した答えが記されています。
落合陽一さんはこれまで何冊か本を出版していますが、本書は落合陽一さんのエッセンスが詰まっているので、この本から読むことをオススメします。
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