- 作者: 筒井康隆
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2016/05/10
- メディア: 文庫
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筒井康隆『現代語裏辞典』~これぞ言葉の魔術師が定義する悪魔の辞典!~
今回紹介するのは、時をかける少女でお馴染みの筒井康隆さんの本です。
※以前、最も爆笑した小説として紹介した傾いた世界―自選ドタバタ傑作集の作者でもあるので、興味あるかたはこちらをご覧ください↓
「現代語裏辞典」って何!?
この本は、小説でもなくエッセイでもなくノンフィクションでもありません。
この本は正真正銘の「辞典」です。辞典ですが、普通の辞典ではありません。
この辞典に載っている1万2千もの言葉の定義・説明を全て筒井康隆さんが、面白おかしく、時には毒を交えて書いています。毒の方が多いかもしれませんが。笑
全部で618ページありますが、読んでいて全然飽きません。
一回目は、1ページ目から終わりまで全て読みましたが、その後は、読みたいとき、適当なページを開いたり、ふと気づいた時にパッと手に取ったりして、気軽に読んでいます。
隙間時間にピッタリなので、ちょっと出かける時に鞄に入れて、待ち時間とかに読むのもいいですよ。
困ったことに、この本を読んだ後に、別のところで、この本に載っていた言葉に出会うと、筒井康隆さんが定義した言葉が頭に浮かぶようになってしまうんですよ。
ぷっと笑ってしまうものから、思わず「うまい!」と唸ってしまうものまで、バラエティーに富んだ切り口で襲い掛かってきますから、気をつけてくださいね。
面白い定義をピックアップ
私が面白いと思ったものを何個か紹介しますね。
【愛】
すべて自分に向ける感情。他へはお裾分け
これ、一番最初に載っているものですよ!いきなりすごくないですか?私は、これを読んで即この本を買ってしまいました。笑
まだまだいきますね。
【愛犬】
いくら愛しても妊娠する心配のない相手
これは、なかなか毒がきいてますよね。そして納得もしてしまいますね。
【色気】
妻以外の女に感じるもの
ギクッした方いらっしゃるんじゃないですか?笑
【男】
両性のうち、弱さ、消極性、だらしなさ、未練がましさ、卑怯、女々しさなどの特徴を持つ方の性
男性の皆さん、怒る準備はできていますか?笑
【議員】
人格の一部が支援者に乗っ取られた人
これは、テレビとかでは言えないですよね。活字の強みです。
【記憶喪失】
自慢話の好きな人に望まれる症状
なるほど、あの人は記憶喪失だったんだ、と思い当たる人がいるのではないでしょうか?
【奇跡】
亭主が死んで半年経った後家さんが妊娠するなどのこと
奇跡としか言いようがありませんね。神様のいたずらですね。
【禁酒】
乱暴狼藉をはたらいた後の僅かな期間
どこのメンバーの話でしょうかね?
【原告】
「金よこせ」と法的に言っている人
ざっくり言うとそういうことですよね。笑
ここに挙げたのは、ほんの一部です。
初めの方からページをペラペラめくって目に入ったものを載せようと思っていたら、カ行のケまででこれだけの豊作でした。
他の言葉が、筒井康隆さんによって、どのように定義づけられているか気になる方は是非チェックしてみてください。
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